平成8年8月8日

「今日で丁度10年目だネ」

朝、食堂に降りて女房に話しかけた
「そうだネ〜・・・・・。」
結婚記念日や子供の誕生日をも覚えていない自分でも　今日の日だけは忘れられない

20代で有り金をはたいて都心にマンションを買い　税務署に呼び出されから20年近く暮らしたが　便利この上ないこの地が離れられずに来ていた

ふとした事から　買い替えを考え始めてから数件目にこの家を見つけたが
「日航のパイロットと話が進んでる」が　と言われた
そう言われると我々夫婦も手放したくない気になってきたので　ローンが通らなければと　予約をしておいた

後日、「年間所得何千万でも手持ちがないので　無理でした」と連絡が来た
それからが大変だった
数十年前を思い出し　お金をかき集めた
と言っても　立ち上げてた仕事の運転資金が必要であったし、子供2人は私立で金が掛かる時期だった

幸い仕事が忙しく食事もろくに取れない程の時期だったし遊ぶ時間もなかった
そんな条件が重なって　またまた人生で2度目の大金を払いスッカラカンになってしまった

そんな肉体的にも金銭的にも人生で1番辛い時期に取得した　この家が私の生きてた証で可愛い！
何時までも大切に、丈夫でいて欲しいものだ

そんな”8”のぞろ目、末永く末広がりに家族が幸せで有りますようにと　願うばかりだ